なぜ【安くすれば売れる】は幻想なのか?
こんにちは、田中祐一です。
僕がビジネスをしていて
何度も突き当たった壁があります。
それは【ダウンセルの設計】です。
「バックエンドが高くて買えなかった人のために、
安い商品を置いておけばいい」
一見すると合理的に思える考え方ですが、
実際にはそう簡単にはいきません。
むしろ、価格を下げるほど人は
動かなくなることがある。
なぜなら、商品とお客さんの
【欲望】が噛み合っていないからです。
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価格ではなく【欲望】のズレが問題
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ある受講生の事例があります。
彼女はアパレル経験の浅い人向けに
「スタイリスト起業の基礎講座」を
約4万円で提供していました。
最初は一定の成果が出て、
そこから本講座に進む人もいた。
ところが最近は反応ゼロ。
詳しく見てみると、本講座に入ってきているのは
「すでにアパレル経験がある人」ばかり。
つまり、ダウンセルの商品と実際に集まってきている層の
ニーズがズレていたんです。
初心者向けの設計では経験者には刺さらない。
「学びたいもの」と「差し出しているもの」が食い違っていた。
このズレこそが一番の問題であり、
価格を下げても解決できません。
ダウンセルから
本命商品に引き上げるのは
めちゃくちゃ難易度が高いです。
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ダウンセルは【余り物】ではない
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僕自身も同じ経験があります。
「本講座を買わなかった人に向けて安い講座を出してみよう」
そう考えてオファーしてみたのですが、結果は惨敗。
しかし逆に「今は本講座に入らない方」に向けたダウンセルを
打ち出したところ、驚くほど売れました。
つまり、ダウンセルは本来【余り物】や【妥協案】ではなく、
【新しい入口】に設計すべきものなんです。
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一点突破の【ピンポイントオファー】
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ここで有効なのが【切り取り型】の商品設計です。
例えば——
・90分で3万円いただける「スタイリングの組み方講座」
・動画編集に特化した「クライアント獲得術」パッケージ
・「骨格診断の基礎」だけを学べるショート講座
こうした【ピンポイントで役立つ一個】は、
お客さんがすぐに手を伸ばしやすい。
7日間で◯◯を達成するプログラム
みたいなのはいい感じです。
ただ教材を自由にみて下さい。
というのはちょっと手が出づらい。
「これさえあれば今の課題が解決できそうだ」
と思わせるのがミソです。
そして買った後に「やっぱりトータルで学ばないとダメだな」と気づき、
本講座につながる。
これは期待しすぎない。
2年でも3年でも気長に。
どうせ、そう簡単には引き上がらない。
ダウンセルを【入口】として機能させるためには、
この一点突破が欠かせません。
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【コミュニティ型】ダウンセルの可能性
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もう一つ有効な方向性が【コミュニティ型】です。
重たい学びには踏み込めない人でも、
「仲間とつながりたい」という欲求は強い。
例えば、
・成功事例を研究する【研究会】
・受講生が月1回ずつコンテンツを発表し、
それをポータルサイトで販売できる仕組み
・軽い勉強会やラボ形式で、知識よりも交流や視点を得られる場
こうした場は「本講座はハードルが高いけど、関わりたい」
という人の受け皿になります。
また、小さな売上を継続的に生み出す仕組みにもなる。
結果的に、そこから「やっぱり本格的に学びたい」という気持ちが高まり、
本講座への導線にもなるわけです。
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まとめ:ダウンセルは【新しい入口】
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繰り返します。
ダウンセルは【余り物】ではなく【入口の一つ】です。
本講座を買わない層の【欲望】を拾う
ピンポイントで成果を与える【一点突破】
軽く関われる【コミュニティ】の提供
この3つを意識するだけで、ダウンセルはまったく別物に生まれ変わります。
「安くすれば売れる」という幻想を捨て、
本当に求められている形を探ること。
そこに挑戦できる人だけが、ダウンセルを武器にできます。
もし今あなたが「ダウンセルが売れない」と悩んでいるなら、
値段ではなく【欲望のズレ】を見直してください。
それが整った瞬間、ダウンセルは単なる妥協案から【新しい入口】へと進化し、
あなたのビジネス全体を強く後押ししてくれるはずです。
それでは、また。
はむはむ。










