「やりがい」だけでは売上は伸びないのか?

田中祐一です。
今日は、ある受講生との対話から
僕自身がハッとしたテーマを
シェアさせてください。
その方は「仲人(なこうど)」業界の方で、
半年間の講座をやり切ったばかり。
今後の展開について
「やりがいを大事にしたいけど、
それだけでは講座が売れない気がして…」
という悩みを話してくれました。
この話、
講師・コーチ・コンサル・セラピスト、
どの業種でも「あるある」だと思うんです。
なぜなら多くの人が、
情熱を持って始めたはずのビジネスなのに、
いつの間にか“売上の数字”に追われて
モヤモヤしているからです。
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やりがいのある講座ほど、
売り方が難しい
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特に、仲人やセラピスト、講師系など
「人の人生を変える」ことに
深く関わる講座は、
少人数でも手厚く関わるぶん、
サポート量が多くなります。
すると
✔ 単価は上げられるけど
人が増えたらキャパオーバー
✔ 一人ひとりに全力で対応するがゆえに
新規集客に手が回らない
✔ しかも、“派手な演出”は苦手…
そんな状態に、
多くの方が陥っていきます。
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「講座は売れるけど、
この先どう広げればいいか分からない」
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実はこの悩み、
ある程度成果が出てきた人こそ
ぶつかりやすい壁なんですよね。
今回相談してくれた受講生も、
すでに何人もの受講生を抱え、
成果も出ていました。
ただ、講座終了後に
“次の講座どうしよう…”
“またゼロから集客か…”
と疲れきっていたんです。
実際に、半年講座で仕組み化を教えても
成果が出るのは半年後だったりします。
時間がかかる。
でも、それでいいんです。
なぜなら本当に価値ある仕組みとは
「ゆっくりだけど、崩れにくい」から。
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価格を分けることで
お互いに気持ちよく学べる
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もうひとつ、印象的だったやりとりがあります。
それは価格帯の違う講座を
「2つ売る」という話。
—— 55万円のフルサポート講座と
—— 30万円のグループ講座
これ、売上戦略としてはもちろん、
講師の“気持ちの余白”を作る上でも
すごく大事な発想です。
実は僕も、過去に
132万円と30万円のコースを
同時にオファーしたことがあります。
結果は——
ほとんどが132万円のコースに流れました。
理由は明確で、
「ノウハウだけでは変われない」
という前提に基づいて、
ちゃんと“サポート型の価値”を伝えていたから。
その後、30万円のほうは
明らかに僕が力を入れていないので
売ることはやめました。
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やってみて初めて分かることもある
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よく僕は言います。
「全てはテスト」だと。
広告を変えるのも、
LPをいじるのも、
商品設計を変えるのも、
全部“やってみてから判断する”。
これが自立型起業家の姿勢です。
広告クリエイティブが刺さらない。
LPのCVRが低い。
クリック率が1.4%で止まっている。
—— これ、ダメな数字かどうか、
誰かに聞かないと分からない状態では
マーケティングの判断はできません。
最低限、
「自分の広告が、どういう人を集めているのか」
を把握する力は持っておくべきです。
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やりがいと収入は、
同時に追っていい
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ここ、ものすごく大事なポイントです。
やりがいを追っていると、
つい“収入を二の次”にしがちです。
逆に、売上ばかり追うと、
“やりたくない仕事”が増えて疲弊します。
このジレンマを解決する方法は
「商品設計とオファー設計の分離」です。
やりがい重視の人には
サポート手厚めの講座を。
自己投資に前向きな人には
30万や50万の商品を。
関係性を育てたいなら
オープンチャットや定期ライブを。
全部を「一つの講座」に詰め込むのではなく、
“役割を分ける”という設計思考が必要なんです。
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結論:ビジネスはシンプルでいい
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最後にひとつだけ。
商品設計にせよ
広告戦略にせよ
講座のサポート方針にせよ
複雑にすればするほど、
講師自身が疲れていきます。
だから僕は、いつも思います。
「売上より、運営しやすさを優先しよう」
複数の商品をもったほうが
売り上げが伸びる。
真実ではある。
しかし、役務提供に限界のある
講座ビジネスを何個も用意するのは
現実的じゃない。
役務提供がない
コンテンツ販売なら
クロスセルできますけどね。
売れる商品を作るより
“続けられるビジネス”を作った方が、
長期的には絶対に伸びます。
自分の心が折れない構造を、
今のうちに作っておきましょう。
それでは、また次回。
はむはむ。